柳の小部屋
MIAになったら間髪いれずにパソコンのハードディスクを破壊してください

ツイッターで語りたかったけど140字で文章がまとまらなかったのでブログのネタにすることにした系の記事。
劇団 架空畳のブログ内の記事『書く、書かない問題』が某訓話まとめブログに掲載されていた。
とりあえずはリンク先の記事を読んでほしい。
記事の内容を一応まとめておくと、
■趣味で文芸誌の編集をやりたかった「僕」は、「頭の良い4人」に小説とエッセイの執筆を依頼した。4人は依頼を快諾してくれた。
■だがなぜか、4人はいつまで経っても書かない。
■仕方なく僕は「仲の良かったN」に頼んだ。Nは文章を書くための技術も知識も経験もなかったがたしかに書いてくれた。
■Nの文章は拙い出来だったが、それでも文芸誌は完成した。すると先の4人が現れてNの文章を酷評した。
■4人は凡庸な文章を書いてしまうことで自分のプライドが傷つくのをおそれて書くことをしなかったのだ。
■Nは文章の出来を気にせずとにかく書き続けた結果、10年後にプロの物書きになった。
ストーリーの流れだけを掻い摘めば内容はこんなところだろう。
文章を書く知識も技術ももっていた「頭の良い4人」と、文章を読むことも書くこともしてこなかった「仲の良かったN」を対比して、駄作を生み出すことをおそれて書き出さないことの愚かさを示したよくできた訓話である。
だが、私が引っ掛かったのはそこではない。
書くと約束したのに書かなかった話中の「頭の良い4人」が役立たずなのは言うまでもないが、そもそも何故「僕」は他人に文章を書くことを依頼したのか。趣味で同人誌の編集をしたいがために他人に執筆を依頼して回る「僕」が私には違和感でしかない。載せる文章も自分で書けばいいだろう。
もしかすると、「僕」は文章が下手だから書きたくなかったのだろうか。
それなら「頭の良い4人」に執筆を依頼するのも頷けるが、その後に文章を書くことに暗いNに依頼する道理はおかしい。「僕」もNも文章が下手なら自分が書けばいいだろう。
そもそも「下手だから書きたくない」という思考は下手だけど文章を書いたNの全否定ではないか。これでは先の4人と大差ない。
それとも、あくまで編集に徹したかったから執筆に手を出したくなかったのだろうか。
だが個人的な趣味で制作する文芸誌に、「頭の良かった4人」はまだしも文章を書くことに興味も関心もなかったNまで巻き込むくらいなら大人しく自分でつくろうとは考えなかったのだろうか。
作業開始から完成までのプロセスに他人を挟むと、その分だけ自分の作業量と必要な技術は小さいもので済む。だが作業量が減るということは同時に、プロセス内で自分が管理できない部分が増えるということであり、それだけ自分の能力や作業速度と無関係なところで作業が頓挫する可能性が上昇するということである。
もしこの文芸同人誌づくりが「僕」の仕事だったならば、「僕」は編集に専念して執筆は他人に任せたほうが良い。
趣味と仕事では一人ひとりの意識が違う。自分の作業を興味や好意によるものではなく義務として認識するようになる。
責任と管理を分散させ、第三者による作業経過のチェック機構を多重に設けることで、執筆も編集も「文芸誌をつくらなければならない」という義務強い強制力に動かされるようになる。甘えがなくなり各自が自身の作業を徹底するようになるだろう。
万が一、文芸誌が完成しなかった場合には責任の所在が明白になり、原因となった者は糾弾されるだろう。各自が作業を徹底した分だけ糾弾の勢いは大きなものとなる。その後は失敗の経験を次回以降に活かせるとともに、それぞれの作業者も自分が糾弾されることをおそれて作業はより確かなものに変わるはずだ。
だが、この文芸同人誌づくりは仕事ではない。「僕」個人の趣味だ。
はじめに執筆を依頼された4人からしてみれば、文章を書くのは「僕」に頼まれたという多少の義務感があったにせよ、結局は自分の仕事ではないことをやってあげるという好意によるものだ。個人の趣味に付き合っているだけだから締切が設定されていても強制力が弱まる。さらにもし書けなかったとしても今後の「僕」との人間関係に障りがある程度でそれ以上の不利益はない。執筆の意義や必要性はますます曖昧なものになっていく。
それらの要因をすべて内包した結果として、自分のプライドと「僕」との約束を天秤にかけ、「頭の良い4人」は書かないという選択肢を選んだのだ。
趣味に他人を引き込むなら、作業を完結できない可能性とリスクを覚悟するべきである。
それができないのなら、個人的な趣味は個人の中で完結させるべきなのだ。
劇団 架空畳のブログ内の記事『書く、書かない問題』が某訓話まとめブログに掲載されていた。
とりあえずはリンク先の記事を読んでほしい。
記事の内容を一応まとめておくと、
■趣味で文芸誌の編集をやりたかった「僕」は、「頭の良い4人」に小説とエッセイの執筆を依頼した。4人は依頼を快諾してくれた。
■だがなぜか、4人はいつまで経っても書かない。
■仕方なく僕は「仲の良かったN」に頼んだ。Nは文章を書くための技術も知識も経験もなかったがたしかに書いてくれた。
■Nの文章は拙い出来だったが、それでも文芸誌は完成した。すると先の4人が現れてNの文章を酷評した。
■4人は凡庸な文章を書いてしまうことで自分のプライドが傷つくのをおそれて書くことをしなかったのだ。
■Nは文章の出来を気にせずとにかく書き続けた結果、10年後にプロの物書きになった。
ストーリーの流れだけを掻い摘めば内容はこんなところだろう。
文章を書く知識も技術ももっていた「頭の良い4人」と、文章を読むことも書くこともしてこなかった「仲の良かったN」を対比して、駄作を生み出すことをおそれて書き出さないことの愚かさを示したよくできた訓話である。
だが、私が引っ掛かったのはそこではない。
書くと約束したのに書かなかった話中の「頭の良い4人」が役立たずなのは言うまでもないが、そもそも何故「僕」は他人に文章を書くことを依頼したのか。趣味で同人誌の編集をしたいがために他人に執筆を依頼して回る「僕」が私には違和感でしかない。載せる文章も自分で書けばいいだろう。
もしかすると、「僕」は文章が下手だから書きたくなかったのだろうか。
それなら「頭の良い4人」に執筆を依頼するのも頷けるが、その後に文章を書くことに暗いNに依頼する道理はおかしい。「僕」もNも文章が下手なら自分が書けばいいだろう。
そもそも「下手だから書きたくない」という思考は下手だけど文章を書いたNの全否定ではないか。これでは先の4人と大差ない。
それとも、あくまで編集に徹したかったから執筆に手を出したくなかったのだろうか。
だが個人的な趣味で制作する文芸誌に、「頭の良かった4人」はまだしも文章を書くことに興味も関心もなかったNまで巻き込むくらいなら大人しく自分でつくろうとは考えなかったのだろうか。
作業開始から完成までのプロセスに他人を挟むと、その分だけ自分の作業量と必要な技術は小さいもので済む。だが作業量が減るということは同時に、プロセス内で自分が管理できない部分が増えるということであり、それだけ自分の能力や作業速度と無関係なところで作業が頓挫する可能性が上昇するということである。
もしこの文芸同人誌づくりが「僕」の仕事だったならば、「僕」は編集に専念して執筆は他人に任せたほうが良い。
趣味と仕事では一人ひとりの意識が違う。自分の作業を興味や好意によるものではなく義務として認識するようになる。
責任と管理を分散させ、第三者による作業経過のチェック機構を多重に設けることで、執筆も編集も「文芸誌をつくらなければならない」という義務強い強制力に動かされるようになる。甘えがなくなり各自が自身の作業を徹底するようになるだろう。
万が一、文芸誌が完成しなかった場合には責任の所在が明白になり、原因となった者は糾弾されるだろう。各自が作業を徹底した分だけ糾弾の勢いは大きなものとなる。その後は失敗の経験を次回以降に活かせるとともに、それぞれの作業者も自分が糾弾されることをおそれて作業はより確かなものに変わるはずだ。
だが、この文芸同人誌づくりは仕事ではない。「僕」個人の趣味だ。
はじめに執筆を依頼された4人からしてみれば、文章を書くのは「僕」に頼まれたという多少の義務感があったにせよ、結局は自分の仕事ではないことをやってあげるという好意によるものだ。個人の趣味に付き合っているだけだから締切が設定されていても強制力が弱まる。さらにもし書けなかったとしても今後の「僕」との人間関係に障りがある程度でそれ以上の不利益はない。執筆の意義や必要性はますます曖昧なものになっていく。
それらの要因をすべて内包した結果として、自分のプライドと「僕」との約束を天秤にかけ、「頭の良い4人」は書かないという選択肢を選んだのだ。
趣味に他人を引き込むなら、作業を完結できない可能性とリスクを覚悟するべきである。
それができないのなら、個人的な趣味は個人の中で完結させるべきなのだ。
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無題
正直、他人に期待するな自分でやれ、で終わることだよね


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プロフィール
HN:
柳
年齢:
35
HP:
性別:
非公開
誕生日:
1989/05/20
職業:
人生の選択肢選び
趣味:
PEAホルモンあつめ
自己紹介:
一番最初に右に右折して馬から落馬した後で後悔してもしらないわよ。


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